【つ】
繕う(つくろう)=破れ(壊れ)た物を直し、再び使える状態にする。 世間の人にいい感じを与える(軽蔑されない)ように、体裁をよくする。うっかりして損ねた相手の機嫌や何でもない事で招いた叱責を、大事に至らぬうちに、うまく処理する。 声を繕う〔=整える〕
拙い(つたない)=人前で自慢出来るほど上手でない。〔自分に関する事柄を他に対して謙遜・卑下する場合に用いることも有る〕。能力が劣っており、一人前の扱いを受けることが出来ない。運が悪い。
恙なく(つつがなく)=病気(異状)が無い。いつもと変わりなく、無事な様子だ。恙無く暮らす。
つと=(副)〔今まで動かずにいた者が〕す速く立ち上がったり 手を伸ばしたり さっと対象に近寄ったり などすることを表わす。ふと姿を出没させたり それまでの動作や状態を改めたり などすることを表わす。
夙に(つとに)=(副)〔古〕朝早く(から)何かが行われることを表わす。幼い時に すでにその経験を積んでいたり その傾向が著しかったり することを表わす。互いの交渉が始まった時以来ずっと その事実が存在し(今問題にしているよりもずっと以前から、その事実が存在し知られ)ていることを表わす。
攣る(つる)=筋が急に縮まり、一時うまく動かせなくなる。足が―。引き―。〔引っ張られたように不釣合に〕そのものの一部が極端に上がる。目のつった女性。
橡(つるばみ)=どんぐり(を煮て、その汁で染めた濃いねずみ色)。―色。
≪他ページ記載文字≫
「ア」啄む(ついばむ) 「カ」つくねん 筑波東北風(つくばならい) 付け馬 「タ」恙(つつが) 綴る(つづる) 「マ」紬(つむぎ) 「ヤ」艶(つや) 「ラ」橡(つるばみ) 「ワ」石蕗(つわ)    

●作例
身なり(世間体・体面・当面・表面・うわべ)を繕う
拙い芸をお見せしました。 拙い私をお導きくださいまして。 武運拙く討死にした。
つとに有名。 つとに起き夜(ヨワ)に寝(イ)ね。
彼女はつとにフランス語と舞踏との教育を受けていた。
つとに彼と彼等との間を、故旧のような温情でつないでいた。

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