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夫婦円満の秘訣 (19/2/1)

 昨年、産経新聞の『夕焼けエッセー』の月間賞に私が初投稿ながら選ばれ、妻は感心と共に「私も小学生の時に『はとぶえ』に載ったんやで」と対抗心を垣間見せた。
 『はとぶえ』とは堺市の小学校児童たちの作品を掲載する児童文化誌で、その時は「なかなか出来なかった逆上がりが、初めて出来た喜びを書いた」とか。
 それ以後は何度か投稿したが掲載されず、「選ばれたのは題材と運が良かったからやと思う」と謙遜。
 学校を出てからは作文を書くことがなかった妻が、私の快挙に触発されて「私もエッセーを書くわ」と一念発起した。
 題材は下駄箱の整理をしていた時に見つけた私の『白いメッシュのブーツ』で、二度と履くことがない様なかなり古い靴なのに、後生大事に持っている様子がおかしくて書いたとか。
 「書いたけど、ちょっと見て」「うん、ここはこうした方がエエで」など、文章のチェックで何度も意見を交わした。
 今まで新聞を読まなかった妻が、それ以来『夕焼けエッセー』を読む様になり、その感想や批評に花を咲かせる様になった。
 近頃は会話が少なくなった私たちに共通の趣味が出来て、薄れゆく老夫婦仲の密度が濃ゆくなり、共通の趣味を持つことが夫婦円満の秘訣だとしみじみと感じた。
 残念なのは、妻が他の当選者の作品を読んで「私のんはまだまだや。恥ずかしいわ」と投稿を断念したことだ。
 でも負けず嫌いの妻のことだから、いつかは自信作を投稿してくれるだろうと私は秘かに期待している。
 因みにエッセーは瞳の死をきっかけに書き始めたので、私たち夫婦が円満でいることが天国の瞳が喜んでくれていると思う。




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