hitomi's poem
 hitomiの(うた) part5(後飾り)

ああ、瞳 小さな骨壷(こつつぼ)に身を移し 我が家に 無言の帰宅

付き添った 親族の間から シクシクと すすり泣き漏れる
哀しみと (よど)んだ空気に つつまれた この部屋の中

寂しげな 遺影を見すえ 心深く 手を合わせる


後飾りの 小さな祭壇 遺骨・位牌が 物悲し
両脇に すえた提灯(ちょうちん)の 花模様 重たく回る

ろうそくと 線香を灯し 僧侶の お経はじまる
瞳の霊 この部屋のどこかで 彷徨(さまよ)っているのだろうか


写真見ると 助けられなかった 無念さで 苦悶(くもん)する

花嫁姿を みたかったのに 孫を抱きかったのに
思い返す 過去、現在が 脳裏を巡り 涙腺(るいせん)ゆるむ

親として 十分にしてやれなかった 事の思い
悔やんでも 時間(とき)は戻せぬ もう瞳、二度と還らない


無念さと 自責の念に 重苦しい 暗い日が続く

動く事も 働く気力も 消え失せて 数日間休む

もうこれで この世は終わり もう立ち直る事 出来ぬと思う
それでも 生きてる限り 永久(とわ)に続く 我が人生

いつまでも 悲しんでばかりでは 浮かばれぬ 瞳の御霊(みたま)

淋しい時 かけておいでと 携帯電話 仏前に添え

オルゴールの 好きなメロディ 拝礼後に 聴かせてやる
忌明(きあ)けまで 毎日拝礼 やすらかに 眠れと祈る 



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