慕嬢詩 『天国ポスト』

 先日、知り合いから新聞の切り抜きを見せられて『天国ポスト』を知った。
 古事記でイザナギがこの世とあの世の境界線を作った場所とされ、黄泉(ヨミ)の国との入口だったとの神話が伝わる、松江市の黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)にあるポストの記事である。
 写真には、うっそうと茂った木々の中、手作りの木製ポストがぽつんと立ち、横には便箋とペンが置かれている。
 私なら25歳で亡くなった娘や私の両親や兄や姉、娘を可愛がって下さった義父母など、多くの方への手紙を束にして持参する。
 特に娘には、お別れしてからの18年間の思いのたけを込めて手紙にしたためるだろう。
 そして「今度生まれ変わっても私の娘でいて下さい。もしも願いが叶うならもう一度会いたい」と。
 因みに毎年6月後半の日曜日に焚き上げが行われる。煙となった手紙はさわやかな風に乗り、投函者の想いが天国へ届き遺された人たちの心を癒すことが出来ると思う。

※黄泉の国=日本神話や聖書における死者の世界のこと。
※慕嬢詩=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
#慕嬢詩 天国ポスト #チャレン爺有村 #有村正


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