慕嬢詩『元旦』

「あけましておめでとう…」
娘の仏壇に手を合わせ、この挨拶から私の1年が始まる。
輝かしい新年を迎えて、どこか神聖な気持ちになり背筋が伸びる。
「今年こそは」と思いを新たに、この一年の目標や抱負を立てる。
今年はどんなことが起こるかな?わくわくした気持ちでいっぱいだ。
希望に満ちた気持ちで目を瞑っていると、娘の在りし日が蘇ってきた。
お年玉を渡した時の子供の喜ぶ顔を見て、父親冥利に尽きた。
かるた、羽子板、コマ回し、凧揚げ、福笑い…。一緒に遊んだな。
お雑煮、ぜんざい、お餅、おせち料理、ちらし寿司…。一緒に食べたね。
親子3人で近所の神社へ初詣、小さな手を合わせてぶつぶつ願いごと。
何を願ったのかな?その姿が愛くるしいと妻と顔を見合わせた。
おみくじを引いた時、3人とも大吉だったので目を疑うとともに笑い合った。
3人一緒に初笑い、新年のスタートにふさわしい神社の計らいか。
元旦は、一年間の一番最初の日に幸せになる日だと思った。

※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
#慕嬢詩 #元旦 #チャレン爺有村 #有村正

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