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散歩道の脇に 今年も咲いた彼岸花
燃えるような赤に 胸の奥が少し痛む
あの日から 季節は何度もめぐったけれど
心の中では 君はずっと二十五のまま
君が誕生して 父親の喜びをくれた日
入園、入学、卒業 そのたびに成長を実感
独り立ちした 二十歳の君を見送った日
喜びと寂しさが入り混り 複雑な気持ちになった
君との25年間 楽しく父親をさせてもらいました
その君がいなくなって かれこれ20年あまり
今は会いたくても 届かない声
手を伸ばしても 指先に風しか触れない
けれど不思議だね
この花を見るたびに 君が近くにいる気がする
風が頬をなでるたび 「お父さん」の声が聞こえる気がする
あきらめと呼ぶには まだ熱い想い
悲しみと呼ぶには あまりにも優しい記憶
情熱の色をした花が そっと揺れている
まるで「また会おうね」と 言ってくれるように
彼岸の彼方で あなたは笑っているだろうか
その笑顔に また会う日を楽しみに
今日もゆっくり歩く 赤い花の咲く道を
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※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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