まぼろし

薄靄(ウスモヤ)の中に君を見た
寂然(セキゼン)と佇む君を見た
憂いに沈む顔がある
ちょっぴりやつれたみたいだね
「元気でいたか?」
声をかけても届かない
「こっちへおいで」
手を差し伸べても届かない
近づいても近づいても離れてく
ねえ、立ち止まってよ
伝えたいことがあるからさ
ほんの少しだけでいい
私の話を聞いておくれ

微睡(マドロミ)の中に君を見た
仄白(ホノジロ)い姿の君を見た
思いがけない顔がある
何か気持ちを告げたそう
「どうしたんだい?」
気に掛けてたよ絶え間なく 
「すまなかったね」
ひとこと君に謝りたい
そうせずにはそうせずには居られない
ねえ、許しておくれ
あの時の君の胸の内
分かってやれず嘆かせた
私の未熟さ許しておくれ

そこはかとなく彷徨う幻想の森
深い闇の奥に溶け込んで
愛しき面影探してる
会いたくて会いたくて仕方ない
ねえ、姿を見せて
伝えたいことがあるからさ
ほんの少しだけでいい
私の話を聞いておくれ