1分間スピーチの話しのタネ
○逆境を乗り越える精神力の強化法」
★気の合わぬ人間ともうまくやっていく度量はあるか
 すべての人を愛する事が出来ればそれに越した事はないのですが、そういう訳にもいきません。気の合う人もいれば合わない人もいます。
 同一組織を構成している以上、顔を見るのも嫌だ、という様な相手でも顔を合わせない訳にはいきません。問題はこの時に生じます。気持ちが顔や態度に出てしまうのです。もし、皆がこれをやりだしたら組織はバラバラになってしまいます。また、そんな気持ちで仕事をしても面白くはないでしょう。
 一人の身勝手な感情が周囲の人に与える影響は決して小さくありません。社内のムードを壊す様な真似はやめるべきです。気に入らないという前にどうすれば今よりもいい人間関係を作れるかという事を考えましょう。もし自分が他人からその様な態度で接せられたら、と考えて相手の立場に立てば、きっと笑顔で接する事が出来るはずです。
★謙虚な態度から繰り出す剛速球だから誰も打てない
 自分の意思を相手に伝えるくらい難しい事はありません。「彼の意見は、いつも明快で誰も反論できないね」と言われているからといって、まわりの人が、それを進んで受け入れて行動に移すかといえば、必ずしもそうではありません。
 反対に、「あの人は会議というと居眠りをしていて、ここという時、ボソリと一言だけ言うんですが、全員が納得してしまうんだから、不思議な人ですよ」という人もいます。
 いずれにしても、タイミングを見て、ズバリと信念を持って意見を言い、一歩も引かない度胸が必要です。発言の中身に生命をかけて…というぐらいの重量感が欲しいものです。だからといって、高飛車に出て、威嚇してはマイナスです。謙虚な態度から繰り出す剛速球に勝てる人はいません。万事にわたってやわらかく謙虚で、イザという時,ズバリと核心をつく人こそ、社会人としても一流なのです。
★「他人の頭」も「自分の頭」を使ってはじめて生きてくる
 世の中には、他人に相談すればきっと解決策を教えてくれるだろう、と考えている人がいる様です。難局に直面すると即座に上司や先輩に救いを求めようとします。中には、自分の思う様な答えが得られず、腹を立てる人もいます。
「あの上司は、俺が失敗するのを望んでるみたいだ。教えて欲しいと頼んでいるのに、意地悪をして教えてくれないんだから…。ケチケチせずに教えてくれてもいいじゃないか」
 思う様な解答をもらえない事に立腹している様ですが、上司のこうした態度には感謝すべきです。なぜなら、その上司は自分に考えるチャンスを与えてくれたからです。何でも教えてくれる上司は親切そうですが、実は成長のチャンスを摘み取っているのです。本当に成長する為には、自分の頭で考え、経験してみなければなりません。上司に相談するにしても、まず自分の頭で考えてみて、その正誤を上司に問うのです。 
★他人がどうあろうと、自分の意思を大切にせよ
 毎月支払われる給料はおよそ決まっています。個人の成績に関係なく支払われます。今月成績が悪かったといっても、賃金カットの心配はありません。
 この事を逆手に取って、自分だけは楽をしよう、と考える人も中にはいる様です。例えば「自分一人ぐらい頑張らなくてもそう違いはないだろう」と言って努力を怠ったり、「全体としての目標は達成できたんだから」と言って自分の悪い成績を消してしまおうとする人です。これは組織に対する反逆、仲間に対する裏切りです。
 全体的には成功を収められたとしても、自分が個人的には納得できない成績で終わってしまったら、それを責めるぐらいの責任感と見識を持つべきです。他人がどうあろうと、組織がどうあろうと、自分がどうであるかが問題なのです。組織や仲間に甘える事なく、自分の果たすべき責任を全力をもって果たすべきでなのです。
★信頼関係も、このたった一言で崩れてしまう
 酒が入るとストレス解消とばかりに会社や上司の悪口を好んで口にする人を見かけます。社内での出来事を酒の肴にしようとしているのです。これは、自分の会社という意識が欠如している事の表れでしょう。もし、自分の家で同様の出来事が発生したら、その人は自分の家の恥部を口に出して言うでしょうか。
 当人は軽い気持ちで会社や上司の悪口を口にするのでしょうが、それが原因で会社や上司に対するイメージや評価が形成され、自分に対する評価まで下げてしまいます。
 会社の悪口を言うという事はそこに働く仲間の悪口を言っているようなものです。軽い気持ちで口にした一言が仲間との信頼関係を大きく傷つけてしまうのです。対外的にも、まさに百害あって一利なしです。自分の会社という意識と誇りを強く持って、会社や上司、仲間の悪口など決してしないような心がけが必要です。
★仲間のミスが「自分のミス」に思うようになれるか
 何かミスをしたのでしょうか、仲間の一人が上司に呼ばれて、説教されています。その姿を見て、内心喜んでいる人がいます。他人の成功を喜ぶ人は少ないのに、他人の失敗を喜ぶ人は多いのが悲しい現実です。他人の失点を見て、何らかの優越感に浸っているのが、そんなに気持ちがいいのでしょうか。
 仲間との共存共栄を望む人にとって、仲間のミスはつらいものです。自分の事では決して弁解しないような人が、他人の為には慣れない弁解をしようとします。
 仲間の失敗は決して喜ぶべき事ではないのです。これは、ライバル関係にあっても同様です。仲間とともに努力し、ともに成長するという気持ちがあれば、この様な事はごく当たり前の事でしょう。仲間の失敗を自分の事のように感じ、励ましの言葉をかけて切磋琢磨してこそ、個人も企業も伸びるのです。
★出来ない事を「出来ない」と言う勇気があるか
 世の中は相互信頼で成り立っています。これを無視して利益を上げる事にのみ熱中してしまうと、その人や企業はやがて滅びます。その時になって、信頼の重要さに気づき、一生懸命に信頼回復に努めても、そうたやすく回復できません。
 企業にとって利益を上げるのは確かに大切です。しかし、だからといって利益を上げさえすれば、何をやってもいい訳ではないのです。
 この事は個人レベルでも同じです。目前の売り上げの為に、平気でウソやでまかせを言ったりする人は、目前の売り上げと引き換えに信頼を棄ててしまっているのです。
 自分の言葉には大きな責任があると認識すべきです。安易な発言が会社に対するイメージを傷つける事になるのです。目先の売り上げの為、口からでまかせを言ったりせずに、正直に出来ない事は出来ないとハッキリ言う勇気を持つ事が必要です。
★つまらない環境―その元凶は自分の心にある
 「類は友を呼ぶ」という諺があります。考え方が似ている者、同じような趣味を持つ者は気心が合い、自然に寄り集まると言う意味です。
 世の中には、自分の事は棚に上げて、「うちの連中は時間にルーズだ」とか「気持ちのいい奴が少ない」とか、仲間や部下について批判する人がいます。
 しかし、こういう人は、その元凶が自分にある事に気づいていません。仲間や部下の悪口は、実は自分に向けられている悪口なのです。つまり、部下や仲間の悪口を言う事は自分で自分の悪口を言って回っているようなものなのです。
 だから、他人の悪口を言う前に自分を変えていく努力をすべきです。自分が変われば、必ず周りも変わります。自分を変えないで周りだけ変えようとしても、無理な話です。自分の目につく仲間の欠点は自分の欠点なのだと認識すべきです。
★他人に尽くせばそれだけ人生の利息が増える
 物事の判断の基準を自分の利益になるか否かというところに置いている人がいます。上司が「彼に手を貸してやってくれ」というのに対する不平不満が次々に出てきます。
 「どうして俺が奴に手を貸さなければならないのか。俺は今忙しいんだ。自分の成績になるというのなら、まだやる気も出るが…」
 他人の成功の為に手を貸すなんてまっぴら御免という事の様です。しかし、他人の成功の為に力を尽くす事は、自分にとってそんなに損な事なのでしょうか。確かに成功の為にいくら力を尽くしても自分の成績にはならないかもしれません。しかし、数字には表れない利点があるのです。一つは、信頼を得られるという事で、もう一つは、自分の力を試せるという事です。更に、人を成功に導くという経験は、何ものにもかえがたい貴重な経験となるのです。
★自分だけに目を向けるしみったれた根性を捨てよ!
 人には色々な個性があります。走りながら考える人もいます。考えがまとまるまで、じっと座っている人もいます。他人の走り出すのを待っている人もいます。走り出した人を冷ややかに批判している人もいます。
 どんな生き方も、それ自体、決して悪いものではありません。個性は一人ひとりの財産ですから、他人からその生き方に干渉される事は拒否すべきです。
 しかし、社会生活をしている限り、個人だけにしか目がいかない人は人間失格です。個性は周りの人々の納得と承認があって初めて輝くものなのです。
 自分が持っている個性を生かそうとするのならば、まず全体の為になる様に行動する事です。全体が活力を持つ様になれば、個性は更に輝きを増してきます。スクラムを組んで戦えるメンバーになるよう心がけたいものです。
★悪口、批判を無視し、黙々と仕事に打ち込めるか
 悪口を言われたり批判されたりするのは気持ちのいいものではありません。陰で言われたり第三者を通して言われたのでは,対処のしようがありません。出来る事なら、聞かずに済ましたいと思っても、そうもいきません。
 一度、自分の悪口を言っている人がいるという事に気づいてしまうと、その事が悩みの種となって、周囲の人々が皆、自分を誤解してはいないかと疑心暗鬼になってしまうケースも少なくないようです。時には、無関係の第三者に対して筋違いの怒りをぶつけてしまう人もいます。しかし、これでは何の解決にもなりません。
 周囲の人々の誤解を解くには、行動で示すのです。腹を立てずに、そのエネルギーを仕事に向けるのです。人の噂も七十五日。結果が人々の誤解を解いてくれると信じて、黙々と仕事に挑んでいけば、周囲の人々もその姿を見て、必ずわかってくれるはずなのです。
★何を最優先すべきか―誘惑に負けないこの方法
 組織の一員として多くの仲間と仕事をしていると、数多くの誘惑に襲われます。退社時刻が迫ってくると、酒を飲みに行こう、とか麻雀のメンバーが足りないから、とか次々に誘いの声がかかってきます。
 付き合いも確かに大事ですが、あくまでも自分の仕事が終わってからの話しです。仕事を途中でやめて、ネオン街に繰り出すのは、本末転倒です。付き合いでやるべき事が出来なかった、という言い訳は通用しません。
 自分にとって優先すべき事は何か、そして今やるべき事は何か、という事を自らに問いかけ、明確に認識すべきです。誘惑に負けて後で辛い思いをさせられるのは他ならぬ自分自身なのです。先に苦労するか、後で苦労するか、どちらがいいかは明らかです。いかなる誘惑にも負ける事のない強い意志をもって誘惑に立ち向かうのです。
★使われ上手な人こそ使い上手、リーダーの資格がここにある
 私の先輩に教えられた事ですが、入社時の社長面接で「君は、どういう人間になりたいと思っているのかね」と質問されたそうです。
 その先輩は、ハッキリと「人に使われやすい人間を目指したいと思います」と答えたというのです。すると社長は、ヒザを打って「君は必ず立派な人間になる。この私の目に狂いはない」と言って採用してくれたそうです。
 人に従うのはつらい事です。しかし、やがて人の上に立って人を指導する立場になった時、従ってくれる人々の心の奥の奥までわからないと、お互いがちぐはぐになって、指導もうまくいきません。
 「僕に従っていれば万事うまくいく。言われたとおりにしろ!」と言う傲慢な上司は、まわりの人々から避けられ、誰も従ってはくれません。最底辺へ心がいく人を目指すのです。
★仕事に体を張れ!それでこそ人はついてくる
 人を動かす事は容易な事ではありません。好成績を上げていた人が人を使う立場になって、部下の成績が思う様に上がらないと嘆いている光景によくお目にかかります。
 部下に責任を求めるのは簡単です。部下に向かって、もっと動け、と厳しい注文をつけるのも簡単です。しかし、それでは状況は変わりません。
 部下に変化を求めようとするのならば、まず自らに変化を求める事です。部下よりも遅く出社していないか、早く退社していないか、更に、日中彼等よりも多く活動しているかどうかなど、チェックしてみる事です。
 書類や伝票の整理などで1日中机から離れず、座ったままでいくら指示を出し、部下に動けと怒鳴ってみても、それでは人は動きません。まず、自分が額に汗を流して動く事です。自分が動けば必ず人も動いてくれるものです。
★アメとムチをバランスよく使うからこそ人は動く
 世の中には、他人の成功を認めたがらない人が多いようです。日頃、失敗してばかりいる部下が努力が実って成功を手にしても、決してそれを正当に評価しようとはしません。偶然性を強調したり、過去の失敗を持ち出して、努力不足を強調したりするのです。しかし、これでは下の者はたまったものではありません。
「よく頑張ったね。これからもこの調子で頼むよ。期待しているからね」
 こういう言葉があるか否かで、下の者のやる気は大きく違ってくるのです。人の上に立つ者は、部下にやる気を出させるのも一つの大きな務めと心得るべきです。部下をほめるのも仕事の一つと考えて、部下のした努力は正当に評価するよう心がけるべきではないでしょうか。上の者の一言が部下に与える影響の大きさをよく認識して、自分の発言には十分気をつけるべきです。
★時には黙って目をつむる事が出来るか
 人を育てるには、二つの方法があります。一つは、長所を伸ばすという方法で、もう一つは短所を直すという方法です。どちらがいいと一概には言えませんが、あえてどちらかと言われれば前者の方がベターではないでしょうか。
 なぜかと言うと、短所の矯正にばかり熱心になると、長所を殺してしまいかねないからです。少しは自分の長所に自信を持っている人でも、毎日毎日、欠点ばかり指摘され続けるのでは、持っていた自信を失ってしまう事にもなりかねません。
 一度失ってしまった自信を取り戻すのは容易な事ではありません。もし、やる気まで奪い取ってしまったら、取り返しがつきません。人を育てる側の責任は重大です。
 短所は目につきやすいものですが、時には目をつむる事も必要です。短所を直せ直せとやかましく言うより、長所を伸ばしていく事を考えるべきです。
★魚ははらわたから腐る!徒党の争いに巻き込まれるな
 組織が崩壊する場合、二つのケースがあります。一つは、外からの攻撃による崩壊で、もう一つは、組織の内側からの崩壊です。外からの攻撃に対しては多少は持ちこたえられても、内からの乱れに対しては、組織はアッという間に崩壊してしまいます。
 企業を例にとると、派閥争いがこれに当たります。自分はどちらの派につこうかなどと考えていると、派閥争いに巻き込まれ、大ケガをする事になりかねません。また、上に立つ者が、派閥争いで優位に立っていい気になっていると、組織のピンチにも気づかず、組織と共に崩壊への道をたどる事となってしまいます。
 組織にとって、個々の競争は必要ですが、それは仕事レベルでの話です。自分の欲望の為に徒党を組んだり、仲間を陥れようとしたりする事は絶対に避けなければならない事です。争いごとは滅亡の出発点と知るべきです。
★意識革命!よきパートナーの為に自分は何を出来るか?
 企業は利益を追求する集団です。しかし、利益を上げる事ばかりに目の色を変えていては、滅亡の時は予想以上に早くやってきます。最近はどの企業もその事に気づき、人材の育成に力を注ぐべきだという考え方が大勢を占めています。
 しかし、会社が人材育成を強調しても、働く人の意識が変わらなければ、題目を唱えているだけです。自分の部下や仲間をかけがえのないパートナーと認識しいている人がどれだけいるでしょうか。
 機械はいくらでもスペアはききますが、自分のパートナーのスペアはありません。自分のまわりを見渡してみる必要があります。かけがえのない財産を粗末に扱ってないか、伸びようとする頭を押さえつけたり、足を引っ張ったりしていないか。自分がパートナーの為に出来る事は何かを認識し、実行する事が大切です。
★成功は人に与え、失敗を引き受ける器量を持っているか
 成功はすべて自分の力によるものだとして、自分の力量や努力を強調する人がいます。こういう人に限って、失敗は他人のせいにしたがるものです。これでは一緒に仕事をするパートナーはたまったものではありません。
「事実なんだからしょうがないじゃないか」と言う人もいますが、事実であっても、そのような事は口にすべきではありません。この様な状況が続けば、やがてパートナーを組む人はいなくなってしまいます。「一人でやるから結構だ」と強がっても、社内で信頼を得られない様な人に何ができるでしょうか。
 信頼されなくなったら終わりです。この世界で一匹狼で生きていくのは不可能です。この世界で生きたいと思うのなら、成功は他人に与え、失敗は自分が引き受けるのです。それでこそ、信頼も厚くなり、能力的にも成長していけます。
★「自分は必要とされている」―この喜びが抜群の自信を生む
 窓際族、という言葉が以前に流行語としてテレビ、雑誌、新聞などをにぎわした事があります。会社に勤めているもののやる事がないというのは肩身の狭いつらい日々の連続です。
 もし「明日から仕事をしなくていいからね」と突然言われたら、皆さんは想像もつかない大ショックを受けるでしょう。世の中には、会社から何も言われていないのに、もしかしたら自分には用がないんじゃないか、と自分勝手に判断して一人で悩んでいる人もいるようです。
 しかし、何も心配する必要はありません。用があるからこそ、必要があるからこそ、こうして集まっているのではありませんか。つまらない事は考えないで、自分を更に必要な人材とすべく、目前の仕事に全力を尽くせば、必ず会社の支柱となれるのです。

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