酒の上の話

【店での話】大阪のスナックは面白いお客さんが多い。
★高齢出産  08/2/2
 50歳前で再婚したアベックが来た。二人には子供がいない。
 女性客「この間、再婚してん」
 私  「おめでとう。二人の子供を作らんとアカンな」
 女性客「生理がアガってるから子供産まれへんねん」
 私  「そんなん言わんと頑張りぃや。日本女性の最高は60歳、外国でも64歳で産んだ例があるんやで。
 女性客「私は生理がないやん」
 私  「女性ホルモンの分泌を促すように刺激したらええねん。60歳で生理が戻った例があるで」
 女性客「どないして刺激するのん」
 私  「そんなん、二人で考えーや」
 男性客「そういえば、男は日本で上原謙が73歳で産ませたとか」
 私  「外国ではフリオ・イグレシアスのお父さんは80歳代でかなり年下の女性との間に子供をもうけたんやで」
 女性客「へぇ、上には上がいるもんやね」
 私  「ヒトにもよるが、男は高齢でもオタマジャクシを発射させられる」
 女性客「オタマジャクシが泳いでたら子供が出来るんやね」
 私  「オタマジャクシだけにカエル泳ぎかな」
 一句:沈む国 オタマジャクシで 生きカエル
 少子化の進行で日本社会は衰退に向かうと言われてる。日本男子はオタマジャクシを仰山発射して子孫繁栄に貢献し沈みかけてる日本を生き返らそう。
★知らぬ同士  08/1/24
当店は人手不足。早い時間は私一人である。そして一人客が多いので何組か来たら困る。
 そういう時は隣同士のお客さんをくっつける。そして知らない同士が会話する。
 私 「二人は顔を合わすの始めてやね。このお客さん面白いで」とAさんに振った。
 客A「お兄さん、仕事何してはんの?」
 客B「配送屋の仕事や」
 客A「配送屋て配達して届けること?」
 客B「ハイそうや」
 客A「要するに運送屋さんやね」
 客B「ウンそうや」
 客A「お兄さん面白いねぇ、まあ、一杯いきや」とお酒を注いだ。
 時として大阪人は知らない同士でも話がはずみギャグを交わす。
 一句:ギャグ受けて 知らぬ同士が 酒一献
 “チャンチキおけさ”ではないけど、ギャグは知らぬ同士のコミュニケーションの潤滑油。
★草履の忘れ物  08/1/17
 今日、六十過ぎのお客さんが店に入るや否や
 「草履(ゾウリ)忘れてなかったか?」と尋ねた。
 「えっ!」妻は何の事か訳が分からない。しかし突拍子も無い質問に吹き出した。
 私は5日程前に掃除をした時に椅子の下で草履の片方を見つけたのでピンと来た。
 「シマちゃんのんやったんかいな。誰のんかなと思てたんや。それにしても片足だけで帰って気ィつけへんかったか?」
 「そ、そ、そやねん。あの時は酔うてたからなぁ」
 6日程前の遅い時間に彼はかなり酔って来店し途中で寝てしまった。お客さんが途切れて他に誰もいないが、「今帰らせるには危ない」と判断して寝かせてあげた。
 私は店を片付けたり、ギターを弾いて間を繋ぎ2時間程してから彼を起こした。
 少しフラフラしていたが暫くして覚めたみたいなので、自転車で帰るところまで見送った。
 しかし、その時は彼が草履が片ちんばとは思いも寄らなかった。
 片ちんばの草履で家に帰る姿を想像し、彼にその事を指摘して私達は大笑いした。
 一句:フラフラと 酔って気付かぬ 片ちんば
★好みの女性は?  07/12/25
 今日はお客さんと好みの女性について話し合った。
 客A「僕は先に顔を見てそれから胸を見る。ポッチャリがええな」
 客B「俺、腕の太い女性が好きや」
 私 「へえ、珍しいな。ダンプ松本とか森公美子みたいなんか?」
 客B「肥えてるのんと違う。デビュー当時の岩崎ひろみとか中森明菜や」
 私 「ほんだら宮沢リエとか松島トモ子はアカンな」
 客B「松島トモ子て古いな」
 客A「松島トモ子て誰?」
 客B「ライオンに2回噛まれたタレントや」
 私 「2回も?ライオンの好きなタイプかな」
 客B「それと網タイツも好きや」
 私 「脚(アシ)も太いのが好き?」
 客B「太い脚に網タイツはいたらボンレスハムになるやん。脚は細いのがええ」
 私 「そうやな、俺はまず脚から見るわ」
 客A「男の女性の好みは、若いうちは上(顔)で歳とともに下(足)にいくらしいで」
 私 「あそう?ほんだら俺は昔から年寄りやったんやなぁ」
 一句:好き、嫌い、 自分さておく 姫談議
 言えた柄でもないのに自分のことをさておいて、好きとか嫌いとか男は女性を評価する。
★ニューハーフ    07/12/18
 昨日のお客さんはミナミのショーパブに行ってきた話をしてくれた。
 店は広く華やかで賑やか。舞台には数人の女の子?が妖艶に踊っていた。店が店だけにショーの人はニューハーフだと分かっていた。一見してニューハーフと思える子もいたが、ほとんど女性顔負けの容姿だったとか。
 しかし自分の席についた子は小柄で可愛い子でどうみても“オンナ”。立ち居振る舞いも女性以上。だからショーの子以外はホンマもんの女性もいてると思ったそうだ。
 でも、会話をしているとしゃべり方、下ネタの振り方で男だと感づいた。普通に女の子と思っていたがニューハーフだったので「騙された」と思ったそうな。
 お客「そこら辺にいてる女の子よりべっぴんで女らしかったで。もうちょい酔うてたら惚れて通(カヨ)てたやろな」
 私 「気がついたらその女の子の部屋に居てた、なんてことも」
 お客「ほんまや、人生変わってたかも知れんな」
 私 「そのむさ苦しい顔に化粧して来んといてや、酒がマズなるから」(笑)
 因みにニューハーフの呼び名はサザンの桑田圭祐が名付けたそうだ。
 一句:女より 色っぽいのが ニューハーフ
 ニューハーフの方が女らしいので、最近のホンマもんの女性は立ち居振る舞いを見習わなきゃ。
★神隠し?    07/12/16
 時間は深夜12時をとうに過ぎ、店はいつもになく忙しかった。
 ワイワイガヤガヤ、あちこちで会話が弾んでいた。
 私もしょうもないダジャレを飛ばしながら接客していた。・・・ら、
 ドテッ!
 なにやら鈍い音が聞こえた。
 反対側の席を振り向くと先程カウンター席にいたお客さんが消えた???
 いなくなったのだ。
 「あれ、居てへんやん。神隠し?そんなことあらへんやろ」
 …色々考えながら、その席の所まで行くと酔っ払って寝ていたお客さんが椅子から落ちていた。
 そのお客さん、周りの笑いの渦にも反応せずにフロアで落ちたままの格好でまだ寝ている。
 起こしてもなかなか起きないので私は抱えてボックス席まで連れていき寝かせた。
 一句:酔っ払い 眠りに落ちて 椅子落ちる
 酔って寝るのはよくあるが椅子から落ちるのは珍しい。
★しゃっくりを止める法   07/12/8
 お酒を飲みすぎてしゃっくりが止まらないお客さんが偶(タマ)にいる。
 そういう時は周りにいるお客さんがあーやこーやと色々教えてくれる。
 お猪口(チョコ)一杯のお酢を飲む。仰向けに寝転がって足を上げる。水の入ったコップの上に割り箸をクロスにし、息をしないで4箇所の飲み口から飲む。下向きにかがんでコップの反対側のから水を飲む。
 極めつけアドバイスのお客さんのやり取り、
 客A「息を止める、とことん息を止めるんや」
 客B「途中で苦しなるやん」
 客A「そこや、ポイントは!苦しなっても息をしたらアカン」
 客B「ほんだら死んでしまうやん」
 客A「死んだらしゃっくりも止まってしまうやろ」
 客B「なるほど」
 Bさんよ、感心している場合か!ギャグやギャグ!!
 一句:アドバイス 聞き間違えて 命取り
 失敗しないためには仕事でも何でも他人のアドバイスはしっかり聞きましょう。
★近視の手術    07/11/17
年配のお客さんが近視の手術で0.2が1.5になったとか。
お客「目がよう見えるようになって、部屋が汚かったのに気がついたわ」
私 「目がよう見えるようになって、嫁さんと別れたなったんと違うか?」
お客「それどういう意味や、俺の嫁さんがブサイクや言うことか?」
私 「いえ、あの、その…」
お客「見た事もないのによう言うわホンマに!!…その通りやわ」
そのお客さん、最後にニヤッと笑った。
ギャグが分かるお客さんでホッとした。
一句:よく見えて 後悔しきりの 目の手術
視力UPは嬉しいが、よく見えるとイメージが崩れたり相手の心が見えたり。ぼやけている方がよかったと思う事も。
お客「そやねー、見えへんことも幸せかもしれんねー。今まで気づかんかったら平気なことも見えだすと気持ち悪くなったりモヤモヤするよねー。いろんな意味で多少ぼけてるぐらいがちょうどいいのかもです」
一句:見えぬ方が幸せなのよ鬼笑い
私 「昔から『知らぬが仏』と言うからなあ。知ってたら腹が立つ事でも、知らんかったら腹も立たんしなあ」
一句:知らんから腹も立たない仏さま
★女を料理    07/11/14
店で調理師のお客さんと料理の話しているうちに話がそれて女性の扱い方になった。
客A「この間、彼女とデートしたんやけどすぐにヘソを曲げよる。訳わからんワ」
客B「女を料理するのは難しい」
客A「そうそう、いらん神経を使う」
私「その点、男を料理するのは簡単や。“チン”だけでええ」
一句:わが妻を懐(ナツ)けたつもりが懐けられ
手懐けたつもりが気づいたら、ええように手の平の上で踊らされてた。女の方が一枚上やわ。
★い、い、い、入れ歯が    07/9/27
私の店は夜遅くまで…いや、“朝早くまで”営業しているので遅々(オソオソ)のお客さんが多い。他所(ヨソ)で飲んで来るお客さんが多いので時々当店で寝る人もいる。
昨日のお客もそうだ。3軒目と言っていた。酔っているのか疲れているのか、カウンター席に座って暫くして寝てしまった。
気持ちよさそうに腕を組み、頭(コウベ)を後ろに倒して口はポカンと開いている。少し体が揺れだし、カックンと頭を前に振った。
その瞬間、口から…、い、い、い、入れ歯が外れて落ちた。上の入れ歯だがキッチリくっついていなかったのかな。
以前にカツラが外れた人がいたが、今度は入れ歯だ。本人は首を前に垂れながらまだ寝ている。私は傍に行きその入れ歯をティッシュにくるんでポケットに入れてやった。
50歳で総入れ歯は辛いね。入れ歯にならないように、しっかり歯を磨こう。
それと、“類は友を呼ぶ”とはよくいうたもんで、実は私も飲みすぎて仕事中に立って寝て舟を漕ぐことがあります。お客さんに笑われるわ妻に怒られるはで、やっかいなおやじです。ハイ
「笑っていいのか悪いのか… 、胸中複雑ですね」
「最初は驚き、そして内心笑いました。本人はそれでもずっと寝ていました」
B「私は笑ってしまいました」
「笑われないように、いまから歯の手入れは入念にしましょうね」
★ヒマな時に…   07/9/19
店が暇な時は時々言葉遊びをする。
昔、した事があるが最近は全くしていないので知っている人がいない。だから使える。
お客さんにまず、「ヒマラヤ、ひらやま」を10回連続で早口で言ってもらう。
発声がつまったらもう一度一からやり直してもらい、とにかく早口で10回言ってもらう。
「ヒマラヤ、ひらやま!ヒマラヤ、ひらやま!3回、4回・・・8回、9回、ヒマラヤ、ひらやま!」
10回言い終わるや否や「世界で一番高い山は?」と直ぐに問いかける。
「ヒマラヤ!」と大抵は自信ありげに答える。
実はヒマラヤは山脈の名前で世界で一番高い山は「エベレスト」である。
ひっかかったお客に「こんな遊びをして喜んでマスターも“ヒマやな”」とシャレで仕返しされた。
★上品な言葉遣い   07/8/17
今日、六十前の女性客と会話をしていたが、その女性の言葉遣いがとても上品だ。
着物姿がよく似合うはずで、仕事は着物関係で職場は京都だとか。
お母さんの事を「お母上(ハハウエ)」、兄さんの事を「お兄(アニイ)さん」、着物も「お着物」と言っている。
「なんでも言葉の頭に“お”をつけると上品な言葉になるんやね」と私はつっこんだ。そして、
「味噌汁は?」と質問した。
「お味噌汁」と応えた。次に
「京都は?」と質問。
「お京都」と乗ってきた。
「ふつう地名には“お”は付けへんけど品(ヒン)がええなぁ」
「・・・」
「それでは奈良は?」
「おナラ!」
そのお澄ましな女性、上品な顔して下品な言葉を発した。少しムッとしたがみんなが笑ったので愛想笑いで取り繕(ツクロ)った。
★ボトル・キープ    07/8/3
今日のお客さんがカウンターのバック棚に並んでいるボトルを見て
「焼酎のボトル・キープが多いね」と言った。確かに8割が焼酎だ。
「そうやね、以前はウイスキーとかブランデーが多かったけど、最近は健康を考えて焼酎に切り替える人が多い」と私は説明。
「健康を考えるんやったら、こんなとこに来んかったらええのに」とお客さんのまともな意見。
「ホンマやなぁ」とここで納得していては商売があがったりになる。
「お酒は家で独り暗く飲むより、人と会話しながら飲むほうが美味しいし、発散するんやで」と切り替えした。
アルコール中毒になるのは総体的に家で独り暗く飲む人のほうが多い。
私も店で“おっさん”…?“はっさん”しながらお酒を飲んでいる。
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