特別寄稿:special-contribution

ドキュメンタリー・NHKのど自慢への道

12月27日。
年賀状を堺中央郵便局まで出しに行った帰りに市役所に立ち寄って“広報さかい”を貰ってきた。NHKのど自慢大会の募集条項が書いてあるからだ。月初に記事を目にしたが自分には関係ないと捨てたものの気が変わり再び入手した。来年は生きている証(アカシ)を残したいので何かにチャレンジしたいと思ったので、その第1弾としてちょうどいい。カラオケ大会は1度だけ経験がある。宝石会社の主催だが宝石の高額購買者が優勝し、悔しい思いをしたので今度は本格的な大会に出てみたかったのもあった。今度は堺地区だけでもいい、優勝を狙いたい。得意な曲は沢山あるので何の曲で出場するか選曲に迷う。応募締め切りまで20日間あるのでじっくり考えよう。
1月18日。NHKののど自慢の応募締め切りは明日だ。出場すからにはトップを狙いたい。でも、順位よりも娘の好きな歌で出場する事に意義がある。色々迷ったが最終的に得意な曲ではなく娘の好きな“Jupiter”に決定。出場する為のメッセージを考え、昼過ぎに心をときめかせて応募ハガキを出す。しかし応募が多い場合は抽選だとか。どうか、選ばれますように…。選ばれるかどうか分からないので妻には内緒にした。
1月19日。選ばれ時に備え、早速お客さんに貰った平原綾香のCDで“Jupiter”を聞く。一緒に口ずさんだ。ウーン、音域がめちゃくちゃ広い。それに途中で二重奏になっている。どちらを唄えばいいか分からない。難しい!とりあえずメロディーの雰囲気を掴んでから店のカラオケで練習しよう。あれだったらガイドメロディーがついているから。
1月21日。今日は早い時間、店が暇だったので“Jupiter”をカラオケで練習する。私の場合、女性の歌を唄う時はキーを4〜5つぐらい上げて唄うのだがこの曲は合わない。原曲で唄うと低音部が苦しい。1つ上げると高音部が裏返る。声が裏返ると聞きづらいので原曲で練習する事にした。曲を覚えるのも大事だが声が出る様にボイストレーングをしなければいけない。いつお客さんが入って来るか分からないので店では出来ない。明日から家でしよう。
1月22日。近くのスーパーへ買い物に行ったついでにボイストレーニングの本を買う。帰ってから本をパラパラめくったが、難しい理屈が多くて理解するのに2〜3週間かかってしまう。大会まで時間の余裕がないので自己流でいこう。
1月23日。昨日は用事があったので今日からボイストレーングをする。といっても専門的な知識は無い。高音と低音の限界で声を思いっきり出す、といったもの。「アー、アー」と声が裏返るまで腹の底から目いっぱい声を発する。「ウー、ウー」と低く喉を響かせて途切れるまで唸(ウナ)る。毎日10分間、驚くと思うので妻が入浴中にした。
1月25日。深夜2時半に客が途切れたので試しに“Jupiter”を唄ってみた。事情を知らない妻は「ちょっとコブシが利いてるやん、あんたには合わへんわ。やめとき」。そうか、もっと磨かなくては…。
2月2日。“NHKのど自慢”の予選会出場の案内状がきた。申し込んだのがギリギリだったので無理だろうと諦めていたので内心喜んだ。妻はハガキを見て「本当に出るの?」と、もう一つ賛成をしていない口ぶりだ。私は「何でも経験や」と云って言葉を返した。また、選曲の“Jupiter”はヘタなのでやめた方がいいと云っていた。確かにこの間、店で歌った時に常連のT君に「ヘタやなぁ」と云われたし、次の機会に唄った時にもM君に「70%の出来やね」と云われた。しかし得意の歌で参加してもそんなに意義がない。苦手な曲を克服してこそチャレンジだ。そのプロセスがドラマを生むし、自分を向上させる!と思った。私はこの歌を唄いたい本当の理由が他にもあるが、何も云わずに妻の言葉を聞き流した。
2月6日。店でカラオケ大会に出る経緯を知っているKさんが“Jupiter”をリクエストしたので唄ったが、何とか唄えたというだけで出来はまだまだ。
2月13日。自己流ボイストレーングでは下の“ラ”が辛うじて出た。上はこの前迄は“ファ”で裏返っていたが、今日は“ソ”で裏返った。最高音はキーキー声ながら辛うじて“ミ”が出る。曲のほうがまだまだ。狭い家では声を出して練習できないので、最近はスポーツジムや買い物の行き帰りとか、風呂の湯船の中でも練習をする。
2月16日。カラオケ大会まであと2日。目前に迫ってきたので店の暇な時間に3曲ほど練習した。家のテレビの映りが悪いので数人の知人に録画を頼む。
2月17日。店は暇、明日カラオケ大会があるので3曲ほど練習した。それにしても歌詞を時々間違う。まあ、明日なんとかなるやろ。お客が来るまで、早く仕上げたいHPの「作詞ネタ集」を編集をする。11時からぼちぼち客が入り仕事を頑張るが、明日はいよいよのど自慢大会、早く起きなければいけないというのに今日に限って6時に終わる。7時過ぎに寝た。
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