エッセイ:essay
(cici)
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私の“千の風になって” 07/8/15
 私が“千の風になって”を初めて知ったのは、去年の春、京都に住んでいる姉からの一通の手紙からです。
 一昨々年の8月に25歳の娘・瞳を肺の病気で亡くして1年半が経った昨年の2月に私は『NHKのど自慢・堺
大会』で優勝し、それについて姉から「感動をありがとう」との内容の手紙を貰いました。
 その中に「今、“千の風”が話題になっています。あなたもそろそろ…」の内容の一節がありました。そして
それを取り上げた新聞の切り抜き記事と新井満さんの本が同封されていました。
 その時に“千の風になって”の本を読んだ私は「泣かないで下さい」の詩に少し抵抗を覚え、「心配してくれ
てありがとう、でももう少し感傷に浸っていたいので…」との返事を書きました。娘に何もしてやれなかった分、
時々思い出しては娘の為に涙を流したかったからです。
 私は娘が死んでから「若くしてこの世を去り、みんなに忘れ去られるのは忍びない」と娘と友達をつなぐ架け
橋として娘のホームページを開設しました。
 しかし、ホームページは更新をしなくては誰も振り向かなくなります。再訪問してもらう為に、それまで書いた
事がなかった詩やエッセイを書いて掲載するようになりました。
 それでも徐々に訪れる人が疎らになってきたので話題になるネタにと、のど自慢に出場したのです。それも
娘の好きだった曲“Jupiter”で。
 見事優勝した時は多方面の多くの方から祝福の言葉や「感動した」という言葉を頂きました。3月には『週間
ステラ』に私ののど自慢の記事が掲載されました。
 10月には地元『堺まつり』の協賛行事のカラオケ大会にゲスト出演、11月には読売TV『なるトモ!』に「スナ
ック芸の達人」として放映。12月には『NHKのど自慢総集編』で僅かながら取り上げられました。
 更に今年の3月上旬に『NHKのど自慢チャンピオン大会』に出場、下旬にPHP新書・磯村健太郎さん著作の
『<スピリチュアル>はなぜ流行るのか』の中に少しながら私の記事が載りました。
  スピリチュアルな体験…、自分では気づかないうちに“何か”に動かされている事を感じた時に、その“何か”
が亡くなった娘であり、NHKの紅白で聞いた秋川雅史さんの“千の風になって”が脳裏に浮かび、歌のイメージ
と符合していると感じました。
 娘を亡くしていなかったら、娘のホームページを開設する事もないし、経験のない詩やエッセイも書く事もない。
ましてや演歌か歌謡曲しか唄わなかった私が、二十歳(ハタチ)くらいの女の子(平原綾香)の曲“Jupiter”を唄う事
はなかったし、のど自慢にも出場していませんでした。
 タイミングよく地元でNHKのど自慢大会が開催された事も偶然とは言い切れない“何か”が働いたような気が
します。そして娘の好きなこの曲を唄ったからこそ優勝できたと思うし、色々な素晴らしい体験をさせて頂いた
と思います。
 私の奮闘ぶりに、周囲の方からの「頑張る姿に感動した」「ただならぬ思いが伝わってきた」「泣きました」「勇
気をもらいました」「いっぱいパワーもらった」などの言葉に後押しされ、昨年からずっと自分磨きに一所懸命で
した。
 そうです、泣いている暇なんか無かったのです。
 これはきっと娘が「お父さん、泣いてばかりいないで、前向きに歩いてや」との“千の風”の力だと感じました。
今はお墓の前では「お父さんは頑張ってるで」と言える様になり、生きる喜びを噛みしめ、いつも感謝ています。
 また私の“Jupiter”を聞いた複数の人から、「あなたなら“千の風になって”がピッタリ合う」と言われ、今では
店でリクエストに応え時々唄っています。娘との体験を胸に秘めながら…。
 まだ“千の風・体験”があります。昨年の5月、娘の遺骨を家に置いていましたが3回忌までに安住の場所を決
めるように妻に迫られていました。多くの霊園は遠くの郊外にあり交通の便が悪くて度々行けない。妻は「電車
で行ける天王寺の一心寺に入れよう」と言う。
 しかし一心寺はお墓を持たない故人をまとめて面倒みるところで一人一人に対応していません。それでは心も
とない。娘の3回忌まであと3ヶ月、私は焦りと迷っていたある日、新聞の折込チラシを目にしました。
 「祥雲寺の墓地を分譲」とありました。そこは自宅から自転車で5分程の所にあるお寺です。私は仕事人間で
娘の生前は何も構ってやれなかったので、「ここならいつでも行ける。世話が出来る」と思い取得しました。この
タイミングは「ここで面倒みてや」との娘の導きかもしれません。
 ある日、店があまりにも暇な日が続くので気分転換に(娘には失礼?)墓参りに行きました。その晩、思いもよ
らないお客さんが多数来店し驚きました。その事をブログに書くと「瞳POWERですかね。瞳の親孝行かなぁ」との
友達のコメントがありました。
 そのブログも昨年の夏、娘の友達に紹介してもらったmixiに入ったからで、娘なくしてはブログを書く事もなかっ
たと思います。ブログを書いているうちに“何か本を出してみたい”との新しい目標ができました。それと作詞・作
曲の勉強をして娘に捧げる曲を作ろうとも思っています。
 娘が他界して私達夫婦は長い間、失望の中でうちひしがれる日々を送っていましたが、「お父さん、お母さんが
私の所為でいつまでも悲しんでいたら私が辛い」と、娘が色々な良い方向へと私を導いてくれているような気が
します。
 「確実に何か素晴らしい運が、お父さんにせまってきてますね」と娘の友達が言うように、これからも色々な
“千の風・パワー”が吹き渡り、いい経験させて頂けると思っています。
 そして私が頑張って絶望のどん底から這い上がり、立ち直った姿を世間の方々に示し「感動、夢、希望、癒し」
を振りまいて、「娘の自慢のお父さん」になる事が、天国にいる娘にできる孝行だと信じてやみません。



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