瞳(ひとみ)

エッセイ：essay

（cici）

hitomiとの思い出話を送って下さい送り先：E－メール、掲示板
歯医者　(16/11/1)
「キュイーン、キュイーン」歯を削る音はいつ聞いても苦手なので、多少の歯の痛みは我慢する。しかし、8月下旬から左の奥の歯茎が腫れてしまい激痛が我慢の限界を超えたので、それ以来かかりつけの歯医者さんに通っている。歯の根元が化膿してかなり腫れていて、まず化膿した部分を治療して鎮痛剤と抗生物質で腫れと痛みを抑えてもらった。診察の結果、左下の奥歯3本と右下の奥歯2本が悪く、歯の根元に膿(ｳﾐ)が溜まる歯根嚢胞(ｼｺﾝﾉｳﾎｳ)の他に虫歯、クラック(ヒビ)、歯周病、知覚過敏など、放置していたツケが沢山溜まってしまった。ある時は歯を削ったり被せてある金属をゴリゴリと削り取っていく振動と音に泣かされ、またある時は歯茎への麻酔注射や抜歯後の痛みで泣かされた。歯周病を予防する為に3ヵ月に1度は歯垢を取る様にと言われていたのに面倒なので6年以上も行ってなかったが、こんな辛い思いが長引くのなら、早目に歯医者に行ってメンテナンスや治療をしておけばよかったと深く反省。歯医者の待合室で診療待ちの時、瞳がまだ小さい頃に歯医者にかかった翌朝にひどく頬が腫れて痛がり泣いていたのを思い出した。当時は電話帳に個人名と住所が掲載されていたので医者の自宅を捜して、診察時間の1時半程前だが必死になって医師に診てもらう様に頼み込んだ事があった。あの時は瞳は歯医者が嫌いになったに違いない。歯医者は大人も子供も苦手なところである。
スマートフォン　(16/6/15)
店と家にパソコンがあるのでスマホは必要ないとずっと携帯はガラ系だったが、周囲がスマホの良さを見せびらかすので興味が湧いてきて、遅ればせながらauの2年縛りが途切れた4月に思い切って変える事にした。　私はギリギリまで行動をしないタイプで、4月中に代えればいいやと27日に重い腰を上げてネットで色々と調べた。　その結果、auのケータイから格安スマホのイオン・モバイルに乗り換える事にしたので、電話番号そのままのナンバー・ポータビリティの手続きを取りイオンへ契約に行った。　早く行けばいいものを営業時間がギリギリに行ったので、申込書の受付はセンターの都合で29日になるとか。　「お客様の携帯電話のご契約者は奥様になっているので、奥様の同意書が必要です」と29日にセンターから電話があった。　「嫁さんは免許証を持っていないので、健康保険証でもエエか？」と私。　「健康保険証だけではダメなので、住民票も一緒に持ってきて下さい」　「今日は祭日で役所は休みや。明日も土曜日で役所は午前中までで、ややこしいから申込書を取消して」　この機会を逃すとまた2年縛りで2年間は変えられないので、30日に妻とauへ行きナンバー・ポータビリティは諦めて解約をした。　2年縛りにこだわるのは2年前、十数年間使っていたドコモを、妻がauの携帯電話はタダになるし話し放題になるからと知り合いの勧めで機種変更後1年半のドコモをauに乗り換えた。　私は用事があったので妻はその知人と契約に行ったのだが、かなりのポイント消失と2人分の違約金数万円をドコモから引き落とされた経緯があるからだ。　今まで使っていた電話番号は使えなくなった。こうなったらじっくり格安のスマホを探そうと、ネットで色々と調べた結果mineo(マイネオ)を買う事にした。　端末は専用のZenfone2が2万5千円強と安く、SIMカードはデータ量3ギガで月1700円～とこれまた安い。　しかし、イオンも近くのエディオンも設定は全て自分でしなくてはいけないとかで、またネットで調べて初期設定をしてくれるPCショップを探してそこで購入する事にした。　商品は取り寄せになので1週間後に受け取りの行ったが、それには取扱説明書が無い。　店員に聞くと「SIMを使われる方は、スマホを使いなれている方の乗り換え用なので、説明書はありません」　「あ、そうか。端末が安いのは一切の無駄を省いているからや」と自分に言い聞かせる。　取り寄せの端末で初期設定をして貰ったので返品する訳にはいかない。仕方なしに持ち帰る事にした。　それにしても、携帯電話と使い勝手が違う初めてのスマホは難しい。「髙いのんを買っとけば良かった」と思いながら端末機と睨めっこ。　悪戦苦闘して1か月と少し、なんとか使いこなせる様になりプライーベートや仕事で活用している。　もし瞳が生きていたらラインで繋がっていただろうなと、新しいスマートフォンを見つめながらしみじみと思う。
姉の訃報　(16/6/1)
風が薫る5月下旬の午後、東大阪に住む直ぐ上の兄から「今日、アメリカのシアトルに住むミチ姉さんが亡くなった」との電話があった。　兄に知らせてくれたのはアメリカに住む姉の友人で、電話をかけても出ないので警察官と一緒に姉宅へ行って中を調べたら亡くなっていたのを見つけたとか。　死因は脳溢血(ﾉｳｲｯｹﾂ)だそうだが、4月に姉から電話があった時は肝臓が少し悪いが、「80歳になるけど、まだまだ元気だよ」と言っていた。　しかし、昨年の5月に旦那さんを亡くし、一人で気丈に生活していたと思っていたが、一人では寂しかったのか旦那さんと同じ5月に逝ってしまった。　そういえば、姉は里見浩太郎のファンで渡米した彼と偶然にレストランで出遭い一緒に写真を撮って貰ったと喜んでいたが、そのお宝写真と彼のサインしたハンカチや、旦那さんが亡くなった時にオバマ大統領から贈られた感謝状などを、「手元に置いていても仕方がないから正ちゃんが記念に持っておいて」と送付してきた事があった。　それは何か不測の事態を予感しての事なのか、今になって考えさせられる。　子供のいない姉は弟思いで、末っ子の私には子供の頃から色々なモノを買ってくれていて、私達が年寄りになった最近でも毎年＄1000から＄2000の小切手を送ってくれていた。　瞳が生まれた時には誰よりも喜んでくれ、そして瞳の成長をいつも気にかけてくれ、瞳を亡くした時は一緒に悲しんでくれた。今頃は天国で瞳の面倒をみてくれている事だろう。　葬儀は姉の友人が執り行うとか。今すぐにでも姉の処へ駆けつけて弔いをしたいところだが、パスポートを持っていないので残念ながら今直ぐには行けない。　姉の冥福を祈ると共にビデオや写真や記念品を見ながら、妻と二人で想い出話しをして亡き姉を偲んだ。
初恋　(16/5/15)
♪五月雨(さみだれ)は緑色　悲しくさせたよ一人の午後は… 　一人ぼっちのカウンター、特にすることもない客待ちの閑散としたひと時に、有線から懐かしいメロディーが耳に入ってきた。　村下孝蔵の『初恋』である。この曲は彼のレパートリーの『ゆうこ』『踊り子』と共に34、5年ほど前によく聴いた曲だ。　なんとなく晴れ晴れしない心にジワーッと染み込む物憂げな旋律、胸をときめかせていた遠い昔とダブらせて聞き入った。　♪好きだよと言えずに　初恋は　ふりこ細工の心…　　思春期の頃、ウブだった私はクラスの憧れのマドンナに淡い恋心を抱いたが、声もかけられずにいたのを思い出し、このフレーズは淡く切なくて今でも胸がキュンとなる。　瞳の初恋はどうだったのか？　気付かなかったのか、それとも無関心だったのか？　瞳も私と同じ様に、好きと言い出せずに、ただ遠くから憧れと切なさをもって見つめていたのか。　親として娘の初恋の話を語り合いたかったと、今になってしみじみと思う。
出産報告　(16/3/1)
『パパさん。こんにちは！！！お元気されてますか？先月の18日に息子が誕生しました。今日で1ヶ月です。慣れない毎日ですが、必死のパッチでなんとか…(笑)』　先日娘の友達が、瞳のホームページの掲示板に出産したとの書き込みをしていた。　もし瞳が生きていたら今はもう30代後半なので、結婚をして子供に恵まれた瞳の友達は沢山いると思う。　瞳が生まれた頃は病気の心配、夜泣き、オムツの交換、歩くようになればケガをさせてはいけないと目を離せなくなる等、何もかもが初めての経験で妻も私も神経を使った。　しかし子育ては苦労があるものの楽しみも大きいので、我が子の将来に夢を膨らませて喜びをかみしめていた新米パパの自分がいた。　瞳の友達に可愛い家族が増えて賑やかで楽しそうな家庭を想像すると、他人事ながら嬉しいものである。　私は赤ちゃんの健やかな成長を祈る祝福の言葉を送ったが、親友の幸せそうな家庭に瞳も天国から祝福のメッセージを送っているだろう。　因みに1月18日は私の妻と同じ誕生日で、彼女の息子さんの誕生日は一生忘れる事はないだろう。『もうすぐ春ですね。パパさんもお体に気をつけて( 〃▽〃)』　最後に書き込まれた私を気遣う優しいメッセージが娘に言われたみたいで、久々にほのぼのとした気分になった。
積立金　(16/1/15)
中退共から瞳のマイナーバーの件で問い合わせがあった。　中退共とは勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部の事で、中小企業の為の国の退職金制度運営している独立行政法人の事である。　瞳がイザという時に用立てようと、積立貯金代わりに20年ほど前に加入していた。　瞳が亡くなってからもそのままにしていたが、これを機に解約をする事にした。　積立金はずっと私の口座から引き落としていたので解約は簡単に出来ると思っていたが、被共済者が死亡した場合は戸籍謄本を添付の事と解約案内書に書いていたので市役所に行き取得した。　帰宅後、解約手続きの書類に記入しようとしたが内容が難しく、中退共の担当者に電話で聞きながらどうにか書類に記入したものの、添付書類は瞳が生まれてから死亡する迄の詳しい謄本が必要と言われ取り直しを余儀なくされた。　「それやったら最初から案内書に詳しく書いといてくれ！二度手間になるやないか」と心の中で思った。　また瞳の生みの親が、瞳が亡くなる1年前に亡くなっていたので、その死亡が確認できる謄本も必要と言われた。　前妻は再婚していたので再婚相手の本籍などが分からず手間取ったが、役所の人に中退共の書類を見せながら事情を説明してなんとか彼女の謄本を取得した。　そして瞳の件だが、以前の私の本籍は鹿児島で瞳が生まれた半年後に堺に転籍したので、鹿児島の役所より取り寄せなければならないと役所の人に言われた。　郵送で戸籍謄本を取り寄せるには、まず鹿児島の役所に電話をして戸籍謄本の金額を聞き、その額を郵便局で定額小為替を買い返信用封筒と共に申し込み書を送るとか。　あっち行ったりこっち行ったり、あれやこれやと、簡単に出来ると思っていた手続きが色々とややこしく、瞳の父親が解約申請をしているのにも関わらず、指定した謄本を揃える様にと、かたくな言い張る中退共の担当者の頭の固さに閉口した。　それはそれとして、解約が出来たら瞳がイザという時にと思っていた積立金は大事に使わせてもらうよ。
DVD　(16/1/1)
お正月と言えば初詣。瞳が小さかった頃は毎年どこかの神社にお参りをしていたが、年をとってからは人混みが苦手になり行く事はなくなった。　それ以来、お正月はツタヤでDVDを沢山借りて映画三昧だったが、それも面倒になり近頃はテレビの映画やドラマを録画して観ている。　その様な状態なので録画した全ての番組が面白いわけではない。観る番組が無くなった時には瞳の部屋に眠っているDVDをチェックする。　瞳も私と同じで映画や音楽が好きだったのか、かなり沢山のDVDを持っていた。200枚は超すだろうか、音楽、洋画、邦画、それにダウンタウンのも数枚あった。　その中から興味のある映画を探して観るのだが、一度観たものでも内容を忘れている作品や、ウーピー・ゴールドバーグの『天使にラブ・ソングを…』の様な何度観ても楽しめる作品もある。　今年のお正月もまた、瞳の遺したDVDを観て喜びを分かち合いたいと思う。
ウォーキング　(15/12/15)
以前の私は車好きで、ちょっとそこまで行くのにも車に乗っていたが、数年前からは運動不足を解消する為に出来るだけ自転車に乗る様にした。　しかし、それでは運動不足解消にはならいと思い、最近は機会があるごとに歩く様に心がけているが、最低30分以上は歩かないと効果が無いと聞いた事がある。　目的も無くただ単に歩くだけでは続かないので、「何かないかなあ」と模索していた。　そんな折、知り合いが電位治療器『ヘルストロン』が体験できるハクジュプラザへ行く様にと紹介してくれた。　ヘルストロンとは、身体に電流を流すことにより、頭痛、肩こり、慢性便秘、不眠症などを解消をして健康体を取り戻す装置らしい。　ハクジュプラザへは片道2km強、以前なら車か自転車だったが、これならウォーキングをするのには丁度良い距離である。　目的地まで行くのに目抜き通りや脇道や裏道を歩いたりとコースを時々変えるので、車に乗っていては気づかない新しい発見があり楽しい。　最低、週3回は行く様にしているが、気分転換・体力増進・健康維持の一石三鳥を考えると、師走の冷たい風も心地良く感じられる。　私はウォーキングをしながら「少しでも元気に長生きをして、少しでも長く瞳のHPを維持・更新、お墓も守るんや」と思うと、足取りも軽くなってくる。

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