hitomi's poem

hitomiの(うた part8(いのち)
母親のお腹の中で 小さな鼓動が始まった
暗闇の中で十月十日(とつきとおか) 小さな命が
この世にデビューしようと 一生懸命 呼吸する
徐々にではあるが 小さく確実に育っている
両親の 神経質なまでの心遣い
壊れ物を触るように やさしく
思いっきりやさしく 育(はぐく)んできた

1978年9月13日 君の誕生日
沢山の人たちに祝福され 生(せい)を受けた
どれだけ周りの人に 喜びを与えてくれたことか
私を一人前にしてくれたんだよ 小さな君が
目からは嬉し涙 溢れてこぼれそうになる

生まれてきた子に 一生ついてまわるネーミング
思案熟考(しあんじゅっこう) 「瞳」という名を考えつくのに
どれだけ時間(とき)を費やしたことか 夢中になったのを思い出す
新米の父親として初めて 責任感を感じた時だった

初めての言葉 ヨチヨチ歩き 公園デビュー
ピカピカの一年生 うれしい進学 感動の卒業
希望に満ちた初仕事 一人立ち 成人式の晴れ姿
目を細めながら 君の成長を見てきた

私は家族の幸せを願い 一生懸命働いた
ある時は年中無休 ある時は二束わらじで働いた
仕事に明け暮れて 君の事 なおざりにした時も
でも、心はいつも 君の花嫁姿 孫の世話
夢と希望を抱き 二世帯住宅の目標に向かって…

2004年8月1日 君の命日
私の志し半(なか)ばに この世を去った
生を受けてから今までの人生は一体 何だったのか
親より先立つ 短い命 薄命の佳人
切なさと無念さで 目から悔し涙 溢れて止(や)まなかった

妻は一緒に娘のところへ行こうと 私に泣訴する
私は妻の気持ち 理解しながらもひきとめた
命尽きるまで仏壇の 面倒看るのがせめてもの供養と
私達、手を取り合い 幾日も 涙に暮れながら過ごした

娘が死をもって教えてくれた 命の大切さ
二つと無い命 一度失えば全てが“無”
神様が親を介して 授けてくれた 尊い命
今は悔いの無いように 貴重な時空(とき)を 大事に過ごす

※薄命の佳人(かじん)=美人は体が弱かったりして、短命なことが多い
※泣訴(きゅうそ)=泣きながら訴える
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