●慕嬢詩『寒い朝』




こんなにも寒い朝には
もう少し居ろと 布団が言う
起きろと責める 目覚ましの
頭をさわって 黙らせる

ぬくもりから離れるのが
つらいので、つい巣ごもりする
もう少しこのまま くるまって
息をひそめて 目をつぶる

心がふっとほどけて
静寂に身を 沈めると
遠くで名前 呼んだような
小さな声を 耳にした

やさしい手のぬくもりが
私の背中 包み込む
守るはずだった 愛娘(マナムスメ)に
守られている 夢を見た

うとうと揺れる ひと時は
赦(ユル)しをくれて いるようで
弱さを責めない 在り処(アリカ)へと
そっと手を取り 連れていく

そしていつしか淡い時は
音も立てずに ほどけていく
冷たい床の 感触で
夢の一幕は そっと下りた

ああ、夢だったけれども
胸はいまでも あたたかい
これから歩く 力だけ
紛れもなく 残している

床を離れた背中を
そっと押したのは どちらなのか
布団の残った ぬくもりか?
それとも娘の 気配なのか?

※赦す(ゆるす)=罪や過ちを責めない。義務を免除する。
※在り処(ありか)=落ち着く所。物のある所。人のいる所。


※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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