hitomi's poem

hitomiの詩 part45 木霊(こだま)



ベッドに入っても、なかなか寝付(ねつ)けない日が続く

寝ようと思っても眠れない、だからクスリに頼っている
寝付(ねつ)くまでの朦朧(もうろう)の時、瞼の裏には君の面影が浮かぶ

そして君と別れた遠い日が、昨日の事のように思い出される

あの時は遠く去っていく君に、声の限りに叫んだ
脇目(わきめ)も触れずに号泣(ごうきゅう)しながら、君の名を叫んだ
あの時の私の声が闇の奥で、木霊(こだま)のように響き渡っている
ああ、まだまだ寝付(ねつ)けない…


木霊(こだま)は樹木に宿る精霊(せいれい)だが、君は私の心に宿る精霊(せいれい)
遥か遠い神秘(しんぴ)の世界から、優しく微笑みかけている
悩んで潰れそうになった時、君のエールが脳裏に木霊(こだま)する
疲れ切った私を癒すように、君の囁きが穏やかに木霊(こだま)する

なんとなく嫌な事を忘れて、気持ちが楽になってきた

ああ、そろそろ眠れそうだ



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hitomiの詩 part46 瞳の部屋


私はいつも寝る時には瞳の部屋を通る
主を失ったその空間は、ぽっかり穴のあいたような孤独感が漂う
私の心を包む淋しさや虚しさは、冬の寒さのせいだけではない
雛を亡くした親鳥が、切なく絞り出すような声で鳴くように
私の胸の奥深くで、もう一人の自分がむせび泣いている
部屋を見渡すと、僅かに残った君の遺品が凄然と置かれ
二度と帰ることのない、主の温もりを待っている

この部屋を通るたびに
君がこの部屋で寝ていた当時を思い出す
幼い頃、はだけた布団を何度も掛けなおした私は
君の寝顔を覗き込みながら、幸せ気分に浸った
この部屋を通るたびに
君がこの部屋で過ごしていた時を思い出す
ここにあるコンポで、いつも音楽を聴いていたね
目を瞑れば、哀愁を帯びたリズムが心に刻む

ああ、君が去って5年半になるのに一日たりとも君が離れない
毎日、この部屋を通るからだろうか…

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