hitomi's poem

hitomiの詩 part47  赤いランドセル



 長かった寒さも和らいで、空も景色も春めいてきた。

 街の量販店や百貨店の棚には、花壇のように色とりどりのランドセルが並んでいる。

 なにげなく赤いランドセルに目をやると、瞳の新入学の頃が鮮明によみがえってくる。

 あの当時は、男の子は黒色のランドセル、女の子は赤色のランドセルと決まっていた。

 ランドセルを買ってやった日はうれしくて、肩に背負って畳の上で飛び跳ねていたね。

 ランドセルを買ってやった夜はしあわせ気分で、枕元に置いて夢見心地で寝ていたね。

 ランドセルのネームカードに油性マジックで記名、時間割もカードに記入してやった。

 教科書、ノート、筆箱、下敷き、連絡帳、笛、定規…。忘れ物がないかいつも点検。

 一年生の時は、ピカピカのランドセルは小さかった瞳には大きくて重たそうだった。

 それが六年生になると、体が一回りも二回りも成長してランドセルが小さく軽くなった。 

 赤いランドセルを見ていると懐かしい過去がよみがえる。

 瞳の初々しい匂い、革の匂い、本の匂い、成長の過程など、思い出がいっぱい詰まっている。

 春の訪れとともに、私の心の中に瞳が戻ってきた。

 
 一句:夢、希望 背負って通う ランドセル




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